人々の安心の、その先へ。

Saito-Kakei Laboratory

FOR CYBER SECURITY

2024年度 研究室紹介ページ

【配属希望者向け】研究室のご紹介

今年も研究室配属の時期がやってきました! 配属希望者の皆様向けに、齋藤・掛井研究室の情報・魅力を簡単にご紹介いたします!

教員ご挨拶

藤彰一 (教授)

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情報セキュリティは日々重要性を増しています。クラウドや IoT の普及によって、セキュリティが必要な領域が増え、さらに従来領域でのセキュリティの在り方も変わってきています。当研究室では、システムやネットワークに関連したセキュリティ技術を研究することで、世の中の安全・安心そして安定を目指します。「自分の情報は自分で守るんだ!」、「自分で安全なシステムを作るんだ!」という皆さん、一緒に頑張りましょう。

井将平 (助教)

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初めまして、掛井です。セキュリティは好きですか? 信頼しては、裏切られ、戦っては、破られてと、なかなか忙しないフィールドです。目には見えないセキュリティ。数学や暗号、あらゆる言語を駆使して、俯瞰することが必要なのかもしれません。……どうでしょう? 伝わってますでしょうか? そもそも、この腑抜けた顔()の持ち主は誰なんだ? なんて、思われていそうです。どうしたら、信じてもらえるでしょうか? 齋藤先生に一言もらいましょうか? 「彼()が掛井だ」と。……結託しているかもしれない? やれやれ、困りました。それでは、学長に一言もらいましょうか? ……忙しすぎて無理そうです。そういえば、あれがありました。職員証。名工大から発行されています。これを確認してもらうのはどうでしょう? なかなか、いい考えかもしれません。やっと、信頼してもらえそうです。でも、この紹介文は研究室サイトに掲載されているのでした。インターネットの世界で、どうやって信頼してもらえばいいのでしょう? 困りました。不安がまたひとつ増えました。それなら、研究でなんとかしましょう。

齋藤・掛井研究室の得意分野

OS

Operating Systemです。当研究室では「OS は使うものではなく作るものである」というモットーを掲げ、研究に必要であるならば OS の深い部分に手を入れることも厭いません。Android や汎用 Linux、セキュア OS など、研究の対象によって取り扱う OS もまちまちです。

ネットワーク

Networkingです。クラウドやIoTという言葉がバズワードとまで言われる現在、事実として計算機一台で完結する処理は少なくなってきています。したがって、協調動作の要とも言えるネットワークは極めて重要と言えるでしょう。

セキュリティ

Securityです。昔はハッカーの力試しであった攻撃も、昨今では金銭や政治的活動のためにより悪質化、高度化しています。最近では電子決済サービスに対する攻撃も話題となりました。当研究室では、OS とネットワークを基盤とし、安全・安心・安定の三要素を満たすシステムの研究に力を入れています。

齋藤・掛井研究室の3つの研究班

研究室に配属されると、各学生は更に 3 つの班に振り分けられます。各班はそれぞれ異なる研究テーマを扱っています。研究室配属後に、まずは各班それぞれの研究に関する課題をセミナーで取り組んで、どのようなことを研究しているのかを眺めてみます。その後、先生方との面談を経て、各班への配属が決まります。

IoT 班の雰囲気

IoT 班では、異常検知やシンボリック実行を活用した研究など IoT のセキュリティに関する様々なテーマについて研究を行っています。研究テーマは先生からアドバイスをもらいつつ、論文調査などを行って決めていくことができ、また、先輩たちのやっている研究テーマを参考にすることで大まかな方向性を決めることもできるので、「自分だけで研究テーマを決定できるか心配」と考えている人も安心してください。

Android 班の雰囲気

Android 班では、アプリからの情報漏洩検知やバイナリ解析など様々なテーマについて研究を行っています。 週一回のグループミーティングで進捗を報告し、アドバイスをもらうことで自分のやるべきことを明確にできます。 自分の興味のあることはもちろん、先生と相談して、先輩方の研究に関連した研究テーマを設定することができます。 そのため「研究テーマをどう設定すればいいかわからない!」と心配する必要はありません。

認証班の雰囲気

認証班では、公開鍵基盤やブロックチェーン、個人情報保護、セキュリティプロトコルの検証に関することなどそれぞれのメンバーが様々なテーマについての研究をしています。この班は掛井先生の担当で、週一回のグループミーティングで進捗を報告します。研究テーマの設定は自分でやりたいこととするのはもちろん、先生から提案されたテーマとすることも可能です。「研究テーマが見つかるかな…」といった不安を抱く必要はありません!

齋藤・掛井研究室の魅力

セキュリティ技術の研究

IT において、セキュリティは年々その重要度を増しています。 当研究室は情報工学科の中で唯一セキュリティを専門にしている研究室です。研究を通して、IT の安全性向上に貢献しています。世界的に研究も活発で、非常にやりがいのある分野です。

ゆったりとした空間

壮大な研究を着想するためには何が必要だと思いますか。能力?協力関係?確かにそれらもありますが、何と言っても作業環境が重要です。 当研究室では、各自の研究の思考を阻害しないよう、ゆったりとした空間を提供しています。もちろんカスタマイズも自由自在。

この写真はある学生の机を撮影したものです。ディスプレイを二台置いて、さらに各種小物まで揃えているようですね。パンダと猫 (?) も可愛らしいですね。おっと、細かい話はともかく、一人一人がこれくらいの広さの中で作業が可能です。

学生への信頼に基づく自由度の高さ

高い自由度は信頼の証。 当研究室ではコアタイムがないので、アルバイトや家事などを諦める必要はありません。 そもそも、研究室に居るからといって成果が出るわけではないのです。自分に最適な場所と時間で効率よく研究成果を出すことができます。その力を、当研究室は信じています。

もちろん、研究室に来れば先輩や教授のアドバイスを受けることもできます。要はバランスですね。

過不足なく整った設備

研究には実験と実装がつきもの。十分な設備がなければやっていけません。当研究室では、研究と直接関わる機材、すなわち常用の計算機やディスプレイは一人につき十分な数支給されます。ディスプレイについては三枚使っている人もいます。その他、機械学習のための高速な実験機なども利用可能です。研究に応じて柔軟に対応します。

また、書籍も豊富です。OS やネットワークに関する各種専門書も一通り整っていますし、技術評論社の『Software Design』のような技術系雑誌も定期購読しています。誰でもこれらの書籍は読むことができます。情報の習得のみならず、研究アイディアの発見に繋がるかもしれませんね。他にも様々な本があるので見学のときに確認してみてください。

各種コンテスト・イベント・カンファレンスへの参加

対外的な活動はスキル向上や経験という意味で大いに役立ちます。当研究室では、各種コンテストやイベント、カンファレンスへの参加を奨励しています。例えば、2019 年度にBlackHat USA(ラスベガスで行われるセキュリティ関連の国際的カンファレンス)へ学生 2 名が参加しています。 また、和歌山県で行われた情報危機管理コンテストには 1 チームあたり学生4名で毎年参加しており、2022 年度は経済産業大臣賞、2023 年度は 2 チームが参加して経済産業大臣賞とテクニカル賞をそれぞれ受賞、2024 年度は 2 チームが参加して経済産業大臣賞と AWS 賞をそれぞれ受賞しています。また、CTF の大会である SECCON 等にも参加しており、学生が研究の合間に、こうしたコンテストのための研究室内勉強会を開くこともあります。

研究室紹介スケジュール-2024年度

研究室紹介の開催日時

研究室紹介の開催日時は以下のとおりです。ご都合のよい時間に是非お越しください。研究室紹介では、研究室に関するスライドを使った説明、質疑応答及び、簡単な研究室の見学を予定しています。

状態 日時 場所
10月10日(木)10:30 21号館5階516号室
10月10日(木)11:15 21号館5階516号室
10月15日(火)14:40 21号館5階516号室
10月16日(水)13:00 21号館5階516号室
10月16日(水)13:45 21号館5階516号室

※一回あたり30〜40分ほどのご案内となります。

研究室紹介への参加方法

研究室紹介に参加を希望する学生は、各回の開始時間前までに規定の教室に集合してください。ただし、事情があり対面での参加が難しい場合には、Teams を利用してオンラインで参加できるようにしますので事前にご相談ください。

先輩の声

M2: 加藤さん

M2: 加藤さん

齋藤・掛井研究室では主にセキュリティに関する研究を行っています。現在 IoT、Android、認証班の 3 つのグループがあるのですが、研究室に配属された際に、3 つの班に関する課題を行うことができ、自分が興味を持てるような班、テーマを見つけることにとても役立ちます。セキュリティは興味あるけど難しそうと不安に思う人もいると思いますが、私自身、今まで授業以外であまりセキュリティや IoT に関することを勉強してこなかったのですが、自分で調べたり、先輩や先生方からアドバイスをもらうことで研究を行うことができています。セキュリティについて興味のある人はぜひ研究室見学や研究室紹介に来てみてください。

M2: 神谷さん

M2: 神谷さん

他の人の進捗報告を聴いたり、論文調査を進めるうちに必要な知識が身につきます。また、学外コンテストへの参加に意欲的なメンバーが多いため、共に切磋琢磨すれば技術力も高められます。研究においては、先生方が前に進めることを第一に考えてサポートしてくださるため、卒業の心配なく安心して取り組めます。どの系の、どの研究室でも同じだと思いますが、配属前の知識・経験の差は重要ではありません。分からないことを分かるまで調べ尽くす「貪欲さ」と、問題を解決する手法の提案実装をやり遂げる「粘り強さ」が肝心です。「頑張って OS やネットワークを理解したい」「自らの手で課題を見つけ、解決する術を身につけたい」という方はぜひお越しください。

M2: 桜井さん

M2: 桜井さん

なんとなく配属が始まる研究室ですが、ほとんどの方にとって、「研究」は初めての作業の連続だと思います。知識ゼロの状態から論文を読む。課題を見つける。答えがないかもしれない問いについて考える。実装する。論文にして発表する。少なくとも僕にはとても難しい作業です。そこで重要になるのは、誰のもとでどんな風に研究をするかだと思います。担当の齋藤先生、掛井先生は、いつでも本当に大きな力になってくれます。研究室の仲間も日常的にお互いの近況を共有し、困ったときはアドバイスをくれます。セキュリティはレイヤーが低い場合が多く、難しい分野ですが、ここでなら、きっと楽しく学べると思います。

B4: 佐藤さん

B4: 佐藤さん

情報セキュリティに関する知識が乏しく、研究についていけるか不安に感じるかもしれません。しかし、CTF (Capture The Flag) という旗取りゲームを通して、楽しみながら情報セキュリティを学ぶことができます。この CTF では、脆弱性の発見や解析、暗号解読など、セキュリティに関する問題を解決することで、実践的なスキルを身につけることができます。齋藤・掛井研究室の学生でチームを組んで CTF の大会に出場することも多く、経験豊富な先輩方が数多くいるため、サポートを受けながら学びを深めることが可能です。

M2: 徳田さん

M2: 徳田さん

齋藤・掛井研究室では情報セキュリティに関する研究に取り組むことができます。セキュリティに関する基礎知識がなくても、配属後のセミナーによって学ぶことができるので心配はありません。研究は毎週の進捗報告で先生からのアドバイスをいただいてやるべきことを明確にすることができ、研究のペースも自分である程度は調整することができてストレスなく研究ができていると感じています。また、自分は情報危機管理コンテストに参加しましたが、とても良い経験になったと思っています。このような大会に興味がある人も大歓迎です。

M2: 真狩さん

M2: 真狩さん

僕はセキュリティに関する知識は授業で習った程度しかなく最初は不安でした。しかし、配属後にセミナー課題を先輩に教えてもらいながら行うことで、研究に必要な基礎知識を身につけることができました。また、この研究室では院試勉強のために 7 月から 1 ヶ月半ほど時間をもらえるため、十分勉強時間を確保できます。なので、この研究室では院試勉強の時間に関して心配する必要はありません!研究に関しては、コアタイムがないため週 2 回のミーティング以外は研究室以外の場所でも研究ができます。私は気分によって自宅や研究室、喫茶店など様々な場所で研究しています。興味がある方は是非研究室見学にいらしてください!

M1: 宮川さん

M1: 宮川さん

なんとなくセキュリティに興味があるけど、具体的にどんな研究をするのかわからないという方も、先輩方の発表や論文を見て、どんな研究が行われてるか知ることができます。また、興味のあるテーマについて論文調査などを通じて自分でも調べていきます。研究室配属後しばらくすると研究したい内容に基づき班分けが行われます。それまでに自分の興味のあるテーマがわかっていると良いと思います。研究でわからないことがあれば自分で調べたり、同期の人たちや先輩方、先生方にアドバイスをいただけます。各班で行うミーティングでは一週間の進捗を報告します。その際も一週間で行った内容や今後行う内容について適宜アドバイスをいただけます。セキュリティに関する研究を行いたいという方はぜひお越しください。

よくある質問

Q. 所属分野は配属や研究に影響しますか?

A. どの分野でも大丈夫です。 ネットワーク分野以外の先輩もこれまでに多数在籍しております。

Q. 定員オーバー時の配属決定方法は?

A. 面談をして決めます。 面談では、特に研究室に入ってやりたいことを聞きます。なお、やりたい事が即研究テーマになる必要はありません。興味の方向性を見ます。

Q. コアタイムはありますか?

A. ありません。 ただし、週に二度あるミーティングへの参加は必須となっています。ミーティングの開催時間は全員の都合の良い時間で決定されます。

Q. 研究テーマはどのように決まるのですか?

A. 配属後、皆さんの興味や意思に応じて決定します。 当研究室では自由意志を尊重しています。既存のテーマの引き継ぎも可能ですし、新しい分野に取り組むことも可能です。

Q. どのような研究テーマを取り扱いますか?

A. セキュリティ関連であれば基本的に自由ですが、暗号自体の研究については取り扱いません。 これは専門性の違いによるものです。予めご承知おきください。

Q. プログラミングはしますか?

A. 当研究室の場合、かなりの時間をプログラミングに割きます。 したがってプログラミングスキルは必要です。ただ、現在得意でない人でも配属後には課題含めトレーニングがありますから、努力さえすればスキルは自然と身につくでしょう。

Q. 院試の勉強はさせてもらえますか?

A. ご安心ください。当研究室は、比較的、大学院試対策に手厚い対応を取っています。約一ヶ月ほど、研究をストップして院試対策に充てて良い期間が設けられています。よって、院試と研究の板挟みにあって、精神をすり減らす心配はありません!また、大学院試の過去問も十分用意があります。

Q. 緩いですか? キツいですか?

A. 是非研究室見学にいらして、その目で判断なさってください。


問い合わせ先

掛井(kakei.shohei<at>nitech.ac.jp) ※<at>は @ に置き換えてください.